すべて忘れてしまうから 第10話(最終話) 彼女と別れて1年後の夏。ミステリー作家Mは、友人・大関の葬儀に参列していた。知り合った当時、彼はまだ下っ端のADで、非常階段に寝袋を敷いて生活をしていた。”10年後、俺たちどうなっているかな”とよく口にしていた彼はプロデューサーになって […]
すべて忘れてしまうから 第9話 浅草の演芸場で半年ぶりの再会を果たしたミステリー作家Mと恋人F。独りになるのも悪くないと思いながら過ごしてきたMだったが、戻ってきた彼女の姿を見てやはり幸せを感じていた。Fは一緒に旅行をしないかとMを誘い、子供の頃に行った能登にもう一度行きたいとM […]
すべて忘れてしまうから 第8話 いつものようにBar灯台で飲んでいたミステリー作家Mは、急遽家を留守にすることになった編集者・澤田から猫のナベシマを預かることに。翌朝、Mの部屋にいるはずのナベシマが見当たらず焦ったMはフクオに助けを求めるが、フクオはあっさりとナベシマを見つけてし […]
すべて忘れてしまうから 第7話 2年前、Fは姉と高級ホテルのラウンジで人を待っていた。そこに現れたのは、今まで一度も会ったことのなかった母方の祖母。F達の母親は20歳で家出をし、26年前に事故で亡くなった。なぜ今更連絡をしてきたのかと問う姉に、自分の余命はあと1年で今のうちに会っ […]
すべて忘れてしまうから 第6話 Mは前職で知り合い親しくなったTVプロデューサーの大関が病床に伏していると聞き、かつて勤めていた美術制作会社を訪れる。すっかり変わってしまった顔ぶれの中、相変わらず気だるそうにタバコを吸う社長がいた。社長は大関の病状をあらかた説明すると、お前は何も […]
すべて忘れてしまうから 第5話 クリスマスと正月が同居する年末の東京。皆が帰省や旅行の話題で盛り上がる中、ミステリー作家Mには特に行くあても無い。MがBar灯台を訪れると、泉がやってきた。帰省するミトの代わりに年末だけバイトをするらしい。ミトはMに余計なことは言うなと釘を刺す。泉 […]
すべて忘れてしまうから 第4話 深夜のBAR灯台。ミステリー作家Mは自分のファンだという美女との話に花を咲かせていた。残る客は二人の他に、泥酔している青年・泉のみ。店の締め作業が始まっている事に気付いたMと美女は、店を後にする。駅まで歩いてきた二人は酔って歩けなくなっている泉と遭 […]
すべて忘れてしまうから 第3話 エッセイの連載を開始したミステリー作家Mは、編集者の澤田に言われるがまま人生初のSNSを始める。誰もフォローしてくれないかもというMの不安をよそに、どんどん増えていくフォロワー数。投稿する度に誰かから反応があり、MはSNSに夢中になっていく。投稿し […]
すべて忘れてしまうから 第2話 ミステリー作家のMは、恋人Fの姉の登場により、ハロウィンの日からFが行方不明だと知る。BAR灯台の常連メンバーやマスターのカオルは、姉にかつあげされたMの出来事をおかしげに話す。バイトのミトがFの居場所を「友達に聞いてみたらどうか」と提案するがMは […]
すべて忘れてしまうから 第1話 ミステリー作家として生計を立てているMは気に入りの店を書斎替わりに、人間観察をしながら執筆作業をする日々を送っている。特にお気に入りは、BAR灯と喫茶マーメイド。そこでMは常連の客たちと他愛もない日常を共有し、誰かといながらも一人気ままに過ごすよう […]